ここひと月ほど観たい映画が無くて久しぶりの映画鑑賞となりました
今回はイオンシネマへ行ってきましたが、平日にもかかわらず「鬼滅の刃」目当ての人が多かったです
すごい人気ですね
まあ私は観るつもりはないんですがね
監督
土井裕泰
出演
小栗旬
星野源
市川実日子
松重豊
古館寛治
新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、残された証拠を元に取材を重ねる毎日を過ごしていた。
そして真相を追い求める中で、どうしても気になることがあった。
なぜ犯人グループは、脅迫テープに3人の子どもの声を吹き込んだのか・・・。
一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。
何となく気に掛かり再生すると聞こえてきたのは、幼いころの自分の声。
それは30年以上前に複数の企業を脅迫して、日本中を震撼させた昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープと全く同じ声だった!
とても興味深く集中して観る事が出来ました おすすめです
この作品は当時世間を騒がせた未解決事件である「グリコ森永事件」をモチーフにしています
事件発生時、私は小学生でしたが
キツネ目の男、かい人21面相、「どくいり きけん たべたら 死ぬで」など
連日報道されていたワードは記憶に残っています
さて、この話の主な流れは新聞記者の阿久津と幼い時の声を犯行に使われた曽根が
それぞれの立場からひたすら地道に関係者を聞き取り調査して事件の真相に近づいていくというところになります
なので、ストーリー上の山があるわけでもなく淡々と進みます
前半はこの聞き取り調査が早目のテンポで続くので、登場する人々の関係性を整理するのに苦労して集中力が切れそうになりました
二人が出会ってからの後半は、曽根と同じく声を犯行に使われた2人は今どうしているのかに話の中心が移ります
作品タイトル「罪の声」の当事者に当たる部分ですがここからがもう目が離せない
事件の真相が徐々にはっきりしてくるにつれて2人の足取りも分かってくるのですが
その人生の辛さ、壮絶さに胸がジンと来ました
特に声を使われた2人のうちのひとり、生島聡一郎役の宇野祥平の存在感 これがハンパない
10kg減量して役作りをしたそうですが喋らすともその姿からだけで
辛く壮絶な人生を歩んできたんだなと伝わってきます
「あなたはどんな人生を送っていますか?」という聡一郎の問いに言葉に詰まらせる曽根
聡一郎と曽根、両方の気持ちがこれでもかと突き刺さってきます
終盤、事件の全容が明らかになったあと、聡一郎に救いがあってほんとに良かったなぁと
ずっと重かった心がじんわり暖かくなりました
文才が無いのでネタバレを極力避けつつこの作品の良さを伝えることが出来ていないのがツライ・・・
上映時間が長いですが観終わった後、ずっと余韻が残る良い作品です
邦画では今年イチバンかもしれません
85点