無職生活5年目突入  のんびりと ひっそりと 自由に生きております

ミセス・ノイズィ 多面的に物事を見よう 分かり易くておすすめ

はい、今回はTOHOシネマズなんばに行ってきました

運動がてら梅田からなんばまで歩いて行ったのですがとても気持ちいいですね

1時間の運動で気分もすっきりお腹もすっきり

ウォーキングイベントが昨今の情勢から再中止になったので

しばらくはこういうのを取り入れて運動不足を解消していきたいです

 

監督
天野千尋
出演
篠原ゆき子
大高洋子
長尾卓磨
宮崎太一
新津ちせ

小説家であり、母親でもある主人公・吉岡真紀

スランプ中の彼女の前に、ある日突如立ちはだかったのは

隣の住人・若田美和子による、けたたましい騒音、そして嫌がらせの数々だった

それは日に日に激しくなり、真紀のストレスは溜まる一方

執筆は一向に進まず、おかげで家族ともギクシャクし、心の平穏を奪われていく

 

面白かったです おすすめします

 

この作品は、あの「騒音おばさん」をモチーフにしています

事件当時、「引っこーし!引っこーし!さっさと引っこーし、しばくぞ!!」というフレーズが

ワイドショーで連日報道されて頭から離れなくなった人も多いかと思います

ただこの作品は、事件そのものを再現してるのではなく

「騒音おばさんvs隣の主婦」の構図を主軸に取り込んだものとなっています

 

で、この作品の大きなテーマが「物事の見る方向を変えると違ったものに見える」と言う事

例えば、AさんとBさんが何やら揉めている 第三者のCさんが二人それぞれから事情を聞くと

Aさんは「Bが悪い、自分は悪くない」と言い、Bさんは「Aが悪い、自分は悪くない」と言う

揉め事の真相・真実は一つだけですが、それを自身が有利になるようにしか見る事ができなくなってしまう

こういう事は人間誰しもやってしまいがちですよね

これをまず隣の主婦の視点から、次に騒音おばさんの視点からと両面から分かり易く描いています

具体的には、いくつかある共通のシーンで主婦視点時は主婦有利な、騒音おばさん視点時はおばさん有利な演出・演技と

細かいところを変化させています

 

ものの見事に「騒音おばさんvs隣の主婦」になってから

対決動画がネットに上がり大反響 隣の主婦が騒音おばさんを主人公にした小説を書き始める

出版社の編集が、いわゆる「炎上商法」で小説を売り込もうと持ちかけてくる

この辺は現代社会の風刺が効いてて「あーあるある~」ってなります

 

その後、とある事件が起きてから

騒音おばさんが悪いという論調が一転して隣の主婦が悪者となり

世論とマスコミが主婦を総攻撃 にっちもさっちもいかなくなる

こういうの、現実社会でも何度も何度も起こってますよね

近いのだとテ○○○○スに出演していた女子プロレスラーの人

ヒールっぽい役回りだったことでSNSを中心に叩かれていたのを苦に自殺

その後は一転して「○○さんかわいそう」「番組が悪い」と一斉に手のひら返し

 

SNSだったら「悪そうなやつはどれだけ叩いてもいい」みたいな空気が嫌いです

さらに、実は悪くなかったと判明しても謝罪なし反省なしで知らんぷり

なんかもうアホらしいというか何というか

マスコミも視聴率取れれば何でもいい、雑誌・新聞が売れれば何でもいい

取材先の迷惑や権利はお構いなしの姿勢は昔から変わりません

私がテレビ見ないのはこういうところが原因ですね

 

話しが逸れましたすいません

 

一方で、主婦の作品を冷静かつ的確に批評するキャバ嬢や

炎上商法は止めとけと苦言するベテラン編集者など

世間に流されずにきちんと物事を判断できる人物も登場させている事で

コントラストが出来てより一層、多面的に物事を見る事の重要さが際立ちます

 

ラスト

騒音の理由が判明して隣の主婦は猛反省

おばさんと和解して真実を描いた小説を発表する

この辺は大分はしょったような気がします

本が出来上がるまでをもっと詳しく時間かけて映像化しても良いと思います

ここが唯一の不満点です

 

 

小難しい作品がお好みな人には物足りなく感じるかもしれませんが

起承転結がはっきりしていて分かり易いです

またネット社会、SNSなど身近で普段利用するものが題材になっているので

あるあるやなとか、人によっては反省すべき点とか感じると思います

上映館は少なめですが、見て損はない作品です

75点