無職生活5年目突入  のんびりと ひっそりと 自由に生きております

ロストケア 家族の絆は時として呪縛となる おすすめ

はい今回もイオンシネマで観てきました

 

春休み期間中で映画館の開館時間が8時と異常に早くて困っています

開館が8時で朝イチ映画が8時20分~30分上映開始になって

かなり早起きして準備しないと間に合いません

早くいつもの9時台上映開始に戻らないかなぁ

 

 

監督
前田哲
出演
松山ケンイチ
長澤まさみ
鈴鹿央士
坂井真紀
戸田菜穂
峯村リエ
加藤菜津
やす(ずん)
岩谷健司
井上肇
綾戸智恵
梶原善
藤田弓子
柄本明

ある民家で老人と介護士の死体が発見され、死亡した介護士と同じ訪問介護センターで働く斯波宗典が捜査線上に浮かぶ。

彼は献身的な介護士として利用者家族からの評判も良かったが、検事の大友秀美は斯波が勤める施設で老人の死亡率が異様に高いことに気付く。

そこで何が起きているのか、真相を明らかにすべく奔走する彼女に、斯波は老人たちを殺したのではなく救ったのだと主張する。

 

 

予告編からして重そうな空気でして

これは見応えありそうだと思ってましたが

その想像をはるかに超える出来でした

 

前半は大友(長澤)による推理と緻密なデータ分析により斯波(松山)が容疑者に浮上してくるサスペンス

中盤は斯波が42人の殺害に至るまでの経緯 斯波という人物の掘り起こし

終盤は斯波の壮絶な過去を描きつつ大友との舌戦とその後

ざっくりとこんな感じ

サスペンス部分もまあまあ楽しめましたが

今作のキモはやっぱり検察室での斯波vs大友の対峙シーンでしょう

 

自らも壮絶な介護経験を持ち、現在介護職についている斯波による、「殺人ではなく”救い”である」という主張と

母を高級介護ホームに入れていて自らの手は汚していない検察大友による、法の下ではやはり殺人であり罪であるという主張

この2つが真っ向からぶつかるシーンは一見の価値あり

 

やっぱりね、介護経験者の言葉には説得力がありますよ

穴の底にいる斯波と、安全地帯から眺めてる大友

どちらの声がより響くかは一目瞭然

これ見たら大概の人は斯波のほうが正しいって思っちゃう

で、斯波のほうへ流れていきそうなところで

「お父ちゃんを返せっ!!!」という法廷での被害者家族の叫び

これでまたどちらが正しいのかというところに引き戻される

 

最終的にどちらが正しいのか、結論は明示されません

介護問題に一石を投じ、世間一般に広くこの問題について深く考えてもらおうという面では

この映画は十分な役割を持つと思います

なので沢山の人にこの映画を観てもらいたいですね

 

作品内で度々介護のシーンが出てきますが

現在リアルで介護中の人は軽くトラウマになりそうな壮絶なものばかり

さらに斯波の父役柄本明の演技がもうね、ホンマモンにしか見えない

名バイプレイヤーだよなぁ

 

レビューサイトを見ると、国・政府ガ~とか自治体ガ~とか言ってる人ちょいちょい見かけます

確かにそこも至らない部分あると思うし変えるべき所もあるでしょうが

私は日本人一人ひとりの考え方のほうを変えるべきだと思ってます

 

何が何でも最後まで家族が面倒見る・介護するとか

介護してることを誰にも話さない・相談しないとか

施設に入れるとご近所から「見捨てた」と見られるとか

家族の絆と言えば聞こえはいいが家族で出来る範囲を優に超えてもなお頑張ってしまう

こういう古来から脈々と続く日本人の国民性が

時として選択肢を減らし身動き取れなくなり介護沼に落ちることにつながるのではないかな

 

辛かったら辛いって大きな声で言えばいい

ご近所には堂々と介護中だと宣言すればいい

早い段階で自治体に相談すればいい

自分ひとりで抱えきれないならいくつか誰かに任せていい

 

 

「過去と他人は変えられないけど未来と自分は変えられる」って誰かが言ってました

国や自治体が変わるのを待つより、介護に対する自分の考え方を変える

介護未経験で今のところ安全地帯にいますが

将来介護沼にはまりそうな時はこの映画を思い出して

共倒れにならないようにしたいです

80点

 

 

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