年末に2本観た映画の2本目です
こちらは大阪ステーションシティシネマで観ました
ここもサブ扱いの割に2023年は結構な回数来たなぁ
ここに来ないと観られないマイナーな作品が多かったのが原因ですね
今年もマイナーだけど良い作品にたくさん出会えますように
監督
ヴィム・ヴェンダース
出演
役所広司
柄本時生
中野有紗
アオイヤマダ
麻生祐未
石川さゆり
田中泯
三浦友和
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山は、変化に乏しいながらも充実した日々を送っていた。
同じような日々を繰り返すだけのように見えるものの、彼にとっては毎日が新鮮で小さな喜びに満ちている。
古本の文庫を読むことと、フィルムカメラで木々を撮影するのが趣味の平山は、いつも小さなカメラを持ち歩いていた。
内容は渋谷の公衆トイレ清掃員平山の平日・休日を
2時間淡々と垂れ流すだけです
なのでバトルなし、謎なし、どんでん返しなし、伏線・伏線回収なし、CGなし
およそ映画を観る理由になりそうな所はありません
映画ならではの刺激を求める人には非常に退屈な映画だと感じるでしょう
で、元夜勤者はどうだったかというと
とても興味深く集中して観ていられました
トイレ清掃員平山の日常
平日は起床後~車で出勤までの一通り→午前作業→公園で昼食→午後作業→銭湯→浅草で一杯→寝る前の読書→就寝
休日はコインランドリーで作業着洗濯→フィルム現像→古本屋で物色→スナックで一杯
8日~9日分くらいずっとこれを繰り返す
これらやる事は変わらないですが
天候、トイレ利用者、近くに居る人などなど
状況環境はちょっとずつ違う
平山はトイレ清掃に真剣に取り組みながら
同時にそういう変化に対応し楽しんでる
私が仕事してた時と同じ感じがしましたね
出勤して業務こなして退社してスーパー寄って帰る
大きく見れば同じことの繰り返しなんだけど
細かく見ると日々違っていて同じものは2つとない
業務にしても量や種類が日々違う
その違いに気づいて意識して対応して楽しむ
そうすることができたからモチベーションを保ちつつ約20年続けてこれたのかなぁと
今になって思います
そんな風に平山と重なる部分があったから
この映画を最後まで興味深く観ていられたのかもしれません
後半に平山の身の上話が入ってくるけど
そんな明確には語られない
なので色々と想像させてくれて
鑑賞後も長く楽しませてくれるのが嬉しいポイント
ラストシーンの平山笑い泣き
鑑賞直後は意味不明だったけど
後で平山の身の上話とセットで考えてみると
今の生活に満足しつつも前の生活に戻りたいと思う部分もある
そんな平山の心の葛藤だったのかなと解釈しました
平山が清掃する渋谷の公衆トイレの多彩さに驚き
ほぼ全面ガラス張りでスケスケだったのが
施錠した途端すりガラスになって見えなくなる といった
デザイン性重視のものが多く取り上げられていました
私がよく利用するトイレだとOsaka Metroのやつかな
ここもキレイで明るくてシュッとしたデザインですね
平山のトイレ清掃に取り組む姿勢は
今時のキレイなトイレを影で支える存在が居ることを再認識させられます
主演の役所広司は言わずもがな
清掃業務の同僚役柄本時生のクズっぷりが最高
石川さゆりの歌が聞けるスナックがあったら通うよね
ほかチョイ役に知ってる人が出てくるのでそれを探す楽しみもあると思います
狙ったわけではないですが
2023年最後に観る〆の映画として丁度よかったなぁ
変わらない単調な日々を送ってるなぁと感じてる人は是非観てほしいですね
70点
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